◆代表的な行書を臨書しよう!

蘭亭序(らんていじょ)(353年)

 

「書聖」と呼ばれる王羲之(おうぎし)が、風光明媚な蘭亭で名士を招いて流觴曲水の宴を催したときに作られた詩集に寄せた序文の草稿です。 飲酒した後に書いたとも言われています。後日、清書するも草稿を超える作ができなかったようです。


この蘭亭序は、唐の時代に太宗皇帝自らが、収集し溺愛したほどの名品と言われています。 王羲之会心の作で、行書を学ぶ上では欠かすことのできない名品です。

 

太宗の死後、陵墓に副葬させたと伝えられており、真筆は残っていません。現存しているのは唐の時代に臨書したものや真筆から引き写したと言われるものです。

 


温泉銘(おんせんめい)(648年)

 

唐の第2代皇帝の太宗(たいそう)が、 長安近くにある驪山(りざん)温泉の素晴らしさなどを述べた自作・自筆の碑文です。

 

石碑は現存せず、フランスのぺリオにより発見された拓本により広く知られるようになりました。

 

その書は雄大で、線は実に多彩です。 ひと文字の中に太い線、細い線があり、書いているときの筆の抑揚が大きいことが分かります。細かいところにこだわらない悠然とした書きぶりは、実に皇帝らしい風格があります。


祭姪文稿(さいてつぶんこう)(758年)

 

唐時代の顔真卿(がんしんけい)が書いた忌辞文の草稿です。反乱軍の鎮圧のために出兵し、非業の死を遂げた甥を悼んだものです。

 

「文稿」とは「草稿」の意味で、顔真卿の草稿の名品としては、他に「争坐位文稿(そうざいぶんこう)」、「祭伯文稿(さいはくぶんこう)」があり、総称して三稿(さんこう)と呼ばれています。


祭姪文稿は、肉筆で書かれた真筆が残っているので、書いているときの感情の動きが手に取るように分かります。その文字を辿っていくと、書きながら徐々に気分が高揚していく様子が見て取れます。 特に後半は息づかいの変化が激しく、感情の起伏が筆致に表われ、修正のために塗りつぶしたり書き直したりした箇所が多数みられます。


                                                                OCTOBER